「女子野球」ではない、『球詠』の世界観

 

はじめに

はじめまして。この度、『球詠』を応援する記事を書こうと、ブログを開設いたしました。当面は、アニメで初めて見るよ、という方に向けた内容で書いていくつもりですので、二ヶ月半ほど、お付き合いくださると嬉しいです。

球詠の世界観

早速ですが、タイトルにもある通りの話です。世界観?何の話?と思われる方も多いと思いますが、はじめに言います、『球詠』は現実の高校野球をそのまま女子に置き換えた作品です。(なんなら、恐らく『球詠』の世界には男子がいない説が濃厚です。新越谷高校の生徒、球場の観客、街行く人、皆女性です。)

 

これについては、原作の第2話冒頭で、"野球大国日本、高校野球においては、球女たちは四千校余りの頂点を目指す"という説明によって女子の野球が高度に発達した世界であることが語られています。しかし、アニメ第3話までの時点では、設定を想像させる細かい要素こそ登場しているものの、しっかりとした説明は省かれています。

この説明が省かれたことにより、昨年放送された『八月のシンデレラナイン』(以下、ハチナイ)と同系列の「女子野球」を描いた作品として見られ、『球詠』の作品の魅力が伝わらないまま、同じようなやつならいいや(まぁ、これは作画の面も含めてなのはわかってるんですけど...)と視聴を切る方がTwitter上でも多く見られました。このことが、今回僕がブログを書くきっかけになったのは言うまでもありません。 

なぜいわゆる「女子野球」ではないのか

 ここでは、作品中の世界観ではなく、『球詠』が作品として置かれた文脈の話になります。

「女子野球」がフィクションの世界で語られる際は、男子との対比の中で女子が野球をする姿が描かれます。体力面での壁、かくあるべしというジェンダーの壁、制度の壁などをもって、女子が女子として野球をする意義を見出していくという面があります。

過去の"女子が野球をする"アニメでは、『ハチナイ』は主人公の有原翼が女子であることが原因となって野球を諦めかけていたり、『大正野球娘。』では、小笠原晶子が女は...と言われて見返すために、『プリンセスナイン』では、女子が甲子園に出場するために野球をする姿が描かれます。

リアリティを削いで生まれる"リアリティ"

 球詠の世界観のところで括弧書きにしたのですが、球詠の作品世界には恐らく男子がいません。これにより、「女子がこんなに飛ばせないだろw」といった女子の身体能力面での縛りから解き放つことができます。

また、球詠では、正確な球速の表示がされていません(あったらすまん)。これにより、球詠の女子野球ファンタジーワールドと現実との隔たりをより大きいものにし、球詠世界において野球のリアリティを保証することが可能になります。

【加筆 2020/4/25】これに加えて、球詠世界の高校野球では、7イニング制が採用されています。現実の女子高校硬式野球でも、7イニング制が採用されているようで、この設定に関しては、割と現実に寄せた設定となっており、マウンテンプクイチ先生のバランス感覚の良さが感じられて好きです。また、この設定を採用するメリットとしては、漫画のテンポの向上でしょう。他の(男子の)高校野球漫画と比較すると、他の漫画が現実の高校野球に則して9イニングをしっかりと描かなければならないのに対し、球詠では、独自の世界観の中で説得力を持ったまま7イニングで1試合を終わらせ、テンポを向上させられるわけです。【加筆終わり】

球詠という作品の魅力はなんといってもかわいい女の子たちがリアルな野球を真剣にやる姿です。これは、女子がやる野球を男子との対比の中で描かず、球詠の作品世界を丁寧に作り上げたことによって、野球というスポーツの魅力を描写することに力を注ぐことが出来たからなわけです。

おわりに

つい先程、アニメ球詠の第4話が放送されました。先行上映があった1~3話までとは違って、原作勢も完全に初見と初めての回だったわけですが、試合が始まれば野球の作画は比較的耐えてるし、持ち直せるかもしれない、という原作ファンの期待を今までとはまた違った形で裏切るクソテンポとクソ脚本の回だったわけであります(もちろん、巻かないとキリのいい所までアニメで収まらないという事情は汲みます)。このブログも3話終了後になんとなく書き始め、まぁめんどかったら公開しなくてもいいやなんて思いながら書いていましたが、4話を見て、居ても立っても居られなくなって急ピッチで仕上げ、公開しました。

あまりに押しが強すぎて原作ファンめんどくせーとなるのもつらいところなので、葛藤はありますが、最後にこれだけ言わせてください!原作読んでくれ!1~7巻まで発売中!

(アニメではおそらく6巻までの内容をやります)

文字しかない記事で読みづらかったかと思いますが、最後まで読んでくれてありがとう!また記事を書くかはわかりませんが、Twitterでぐちゃぐちゃ言ってると思うので、気が向いたら見てください。コメントとか、ここ直した方がいいよとかあったらぜひください、次書くモチベが生まれるような気がします。では。

 

【2020/4/25分の加筆について】書き忘れていたので追加しました。次回以降での記事で補足してもいいかなとも思ったのですが、出来る限り同一の記事内で完結させたいと思ったので。